【貧血の消化器症状】について血液専門医が詳しく解説

貧血の消化器症状を徹底解説

貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する状態であり、全身に酸素を十分に運ぶことができなくなるため、さまざまな症状が現れます。一般的には、疲れやすさ、動悸、息切れ、めまいといった全身的な症状が知られていますが、実は消化器系にも影響を与えることがあります。

今回は、貧血が消化器症状にどのように影響を与えるかについてわかりやすく解説します。


目次

1. 食欲不振

貧血の患者さんはしばしば食欲が減退することがあります。酸素が不足することで、消化器の働きが低下し、胃や腸の動きが鈍くなるためです。
この影響により、食事をしても満足感が得られず、食欲がわかなくなることがあります。

これが長期間続くと栄養不足を招き、さらに貧血が悪化する悪循環に陥ることもあります。


2. 吐き気

貧血の消化器症状の一つとして、吐き気が現れることがあります。特に鉄欠乏性貧血の場合、以下のようなメカニズムで吐き気が引き起こされることがあります。

  • 胃腸の粘膜への影響: 胃腸の粘膜が影響を受け、胃の不調を感じやすくなります。
  • 消化機能の低下: 胃の中に食べ物が滞留しやすくなり、これが吐き気の原因となります。
  • 鉄剤の副作用: 鉄剤の服用により吐き気や胸焼けが起こることもあります。

嘔吐を伴うことはまれですが、無理に食事をとると嘔吐してしまうこともあります。
こうした症状が続く場合は、早めに医師に相談し、貧血の根本的な治療を受けることが大切です。


3. 腹部膨満感

貧血に伴う胃腸の動きの低下は、食事後に腹部が張る感じや膨満感を引き起こします。この症状は、食物が胃腸内に長時間留まることや、ガスが溜まりやすくなることなどが主な原因です。
例えば、脂肪分の多い食品や食物繊維の摂取量が極端に不足すると、膨満感がさらに悪化することがあります。

また、炭酸飲料や揚げ物は胃腸に負担をかけるため避けると良いでしょう。

  • 消化速度の低下: 食物の消化が遅くなることでガスが溜まりやすくなる。
  • 胃の運動機能低下: 胃の内容物が次の消化器官に進むのが遅れる。

鉄欠乏性貧血では、特にこのような症状が強くなることがあります。
食後の不快感が長時間続く場合は、胃腸科を受診することが推奨されます。


4. 異食症

貧血が進行すると、異食症(いしょくしょう)と呼ばれる症状が現れることがあります。
これは、土や氷、紙など食べ物ではないものを食べたくなる症状です。例えば、”むしょうに氷が欲しくなる”という方は鉄不足による貧血が原因かもしれません。

このような異食症の背景には、鉄分の不足が脳に影響を与え、特定の食材や物質への欲求を引き起こす可能性があります。”氷を食べたくなる理由”は、冷たさによる一時的な口内刺激が心地よく感じられるためとも言われています。

この状態は消化器に深刻な影響を及ぼし、胃腸障害を引き起こす可能性があります。異食症が疑われる場合は、速やかに医療機関での治療を受ける必要があります。


5. 貧血の消化器症状への対策

貧血により消化器症状が現れた場合、具体的には以下のような対策を行いましょう。

  • 鉄分の補充
    • 貧血の原因が鉄不足の場合は鉄分の補充が必要です。医師の指示のもと、鉄剤の服用や鉄分を含む食品を積極的に摂取します。ただし鉄剤の副作用で吐き気がおこることもあるので、食後に服用したり、より吐き気の副作用の少ない鉄剤への変更も可能です。先生に相談してみましょう。
  • 食事の工夫
    • 少量ずつ、回数を増やして摂取。
    • 消化の良い食品を選ぶ。
    • 胃腸に負担をかけないタイミングで食事を摂る。

6. 治療しても良くならない場合

貧血の治療を行っても消化器症状が改善しない場合、消化器自体に原因がある可能性があります。例えば、胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんなどの疾患が隠れている場合があります。
このような場合は、単なる貧血治療にとどまらず、内視鏡検査やCTスキャンなどの追加検査を検討することが重要です。

特に、食欲不振や吐き気、腹部膨満感が治療後も続く場合は、消化器疾患の専門医と相談し、必要な検査や治療を受けることをお勧めします。
消化器疾患は早期発見が治療の鍵となりますので、主治医の先生に状況を詳しく伝え、適切な対応をお願いしましょう。

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