貧血と聞くと、多くの人は「疲れやすい」「めまい」といった一般的な症状を思い浮かべるでしょう。しかし、貧血の症状はそれだけではありません。
この記事では、意外と気づかれにくい貧血の症状を解説していきます。もしかすると、あなたが感じている体調不良は貧血が原因かもしれません。
1. 貧血とは?
貧血は赤血球やヘモグロビンの不足により、全身に酸素を運ぶ能力が低下する状態です。主な原因には鉄分不足や出血、血液疾患や慢性疾患がありますが、症状の範囲は広く、思いもよらない症状を引き起こすことがあります。
2. 意外な貧血の症状
嗄声(させい)— 声がかすれる
貧血が原因で声がかすれることがあるのをご存じですか?血液中の酸素が不足すると、喉や声帯に十分な酸素が届かず、声がかすれることがあります。
風邪などの感染症が原因ではなく、慢性的に声がかすれる場合は、貧血の可能性を疑ってみましょう。
食思不振 — 食欲がなくなる
食欲がわかない原因が、実は貧血かもしれません。血液中の酸素が不足すると、消化器官の機能も低下し、食欲不振や胃の不快感を引き起こすことがあります。
長期にわたって食欲が低下している場合、鉄分やビタミンの不足を考慮することが重要です。
頭痛 — 酸素不足によるもの
頭痛の原因が貧血にある場合、脳が酸素不足の状態になっていることが原因です。特に、長時間立ちっぱなしや急な動きで悪化する場合は、貧血による頭痛の可能性があります。
貧血による頭痛は、鎮痛剤では改善しないことが多く、根本的な原因である貧血を改善することが必要です。
眠気 — 日中の過度な眠気
貧血は慢性的な疲労感や、日中に強い眠気を感じる原因にもなります。酸素を十分に運べないために、全身の組織がエネルギー不足になり、眠気や倦怠感を感じることがあります。
睡眠時間を十分に取っているのに眠気が取れない場合は、睡眠時無呼吸症候群の他に貧血も疑ってみましょう。
冷え性 — 手足の冷えが気になる
貧血が原因で血液が十分に循環しないと、手足の冷えを感じることがあります。特に女性に多い冷え性ですが、実は貧血が根底にある場合も少なくありません。
冷え性が改善されない場合、貧血をチェックしてみる価値があります。
爪が割れやすくなる — 爪の健康にも影響が
貧血が進行すると、爪が薄くなり、割れやすくなることがあります。鉄分が不足することで爪の成長や強度が低下し、爪がもろくなってしまいます。
もしも最近爪が割れやすいと感じているなら、それは貧血のサインかもしれません。
むずむず脚症候群 — 脚が落ち着かない
鉄分が不足すると、むずむず脚症候群(RLS)のリスクが高まります。これは脚に不快感やムズムズした感じを覚え、じっとしているのが難しくなる状態です。夜間に症状が悪化することが多く、眠りを妨げる原因にもなります。
鉄分補給がこの症状の改善に役立つ場合があります。
顔色が悪くなる — 血色の低下
貧血が進行すると、血液が酸素を十分に運べなくなり、顔色が悪くなることがあります。特に皮膚が青白くなったり、唇やまぶたの内側が色あせて見える場合は、貧血の兆候です。
顔色が悪いと感じる場合は、貧血の可能性があります。
口内炎や舌炎 — 口の中にも影響
貧血が原因で口内炎や舌が炎症を起こすこともあります。鉄分やビタミンB12、葉酸が不足すると、舌が赤く腫れたり、痛みを伴うことがあります。
これらの症状が頻繁に現れる場合、貧血が関与している可能性があります。
耳鳴り — 耳の中で「キーン」と感じる
意外な貧血の症状の一つが耳鳴りです。貧血による酸素不足が耳に影響を及ぼすことで、耳の中で「キーン」とした音や不快な耳鳴りが発生することがあります。
耳鳴りが長期間続く場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。それでも原因はわからない場合は貧血も考慮する必要があります。
舌のざらつき — 舌の表面が変化
貧血が進行すると、舌の表面がざらついたり、味覚に異常を感じることがあります。鉄分が不足することで、舌の細胞の働きが低下し、舌が敏感になったり、ヒリヒリする感覚が生じることがあります。
3. まとめ
貧血は、疲労感やめまいだけではなく、嗄声や食欲不振、頭痛、眠気、冷え性、爪の変化、むずむず脚症候群、顔色の変化、口内炎や耳鳴り、舌のざらつきなど、多様な症状を引き起こします。これらの症状が長く続く場合、血液検査で貧血の有無を確認し、必要な治療を受けることが重要です。貧血が改善されると、これらの症状も軽減される可能性があります。
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