急性骨髄性白血病:AMLの患者さん(69歳女性)のご家族から質問がありました。
今回の患者さんの診断の流れは、疲れやすいという症状が続くため近所のクリニックを受診し採血したところ、大学病院へ紹介され急性骨髄性白血病と診断されました。
臍帯血による造血幹細胞移植を行いましたが早期に再発し、その後いくつかの化学療法を試しましたが効果はありませんでした。残された時間を自宅で過ごしたいと希望され、訪問看護と訪問診療を導入し自宅に退院されました。
訪問診療の中で旦那様より
「数ヶ月前から具合が悪かったみたいですが、我慢して病院受診が遅くれました。もっと早く受診していれば、結果は変わりましたか?」
と後悔の念が語られました。奥様のご病気に責任を感じておられる印象を受けました。
血液の病気と診断されるきっかけは様々です。
自覚症状がなく健康診断や別の病気の治療中に見つかったり、発熱や疲れやすさや出血症状などの症状をきっかけに診断されます。いずれの場合も血液の専門家である血液内科に紹介され、骨髄検査やリンパ節生検などで診断が確定します。
発熱や出血症状が続く場合は早い段階で病院を受診すると思いますが、疲れやすいという症状だけでは様子を見てしまうことも多いと思われます。
年齢や日常生活の忙しさ、仕事のストレスのせいかなと、病院を受診するのが遅くなってしまう患者さんも多くおられます。
確かに症状が出る早い段階で受診すれば初期の段階で診断がつき、早く治療が始められます。ただ、それはあくまで結果論です。また早く治療が始められたからと言って、必ずしも治療がうまくいくとは限りません。
あまり自分を責めないで下さい。私たちは「過去」を変えることはできません。でも「今」を変えることはできます。
残されたかけがえのない時間を大切に、奥様が自宅で穏やかに過ごせるよう一緒に頑張っていきましょう。
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