先日、在宅療養中の70歳前半の急性骨髄性白血病の患者さんから質問を受けました。
「家で輸血してもらってから調子が良いんです。具合の良い時は筋トレをしても良いですか?」
患者さんの横たわるベッドの下には鉄製のダンベルが転がっており、病気にかかる前は筋トレを習慣にしていたと思われます。
血液疾患の治療中、または治療後の患者さんからたまに聞かれる質問の一つが、「筋トレしても良いですか?」というものです。体力をつけるために筋トレをしたい気持ちはよくわかりますが、血液疾患の患者さんにとって適切な運動量や筋トレの内容には注意が必要です。
結論から言うと、筋トレは可能ですが慎重に行いましょう
基本的に、血液疾患の患者さんでも、治療の進行具合や体力に応じて、軽い運動を行うことは推奨される場合があります。しかし、筋トレを始める際にはいくつかの注意点を考慮する必要があります。
1. 主治医に相談する
まず最初に、筋トレを始める前に必ず主治医に相談しましょう。治療中は免疫力が低下しているため、筋トレによる過剰な負担や感染リスクを避けるためにも、医師の指示を受けることが重要です。
また、貧血の程度によっては安静第一となる場合もあります。
2. 無理をしない軽めの運動から
筋トレといっても、治療中や治療後すぐに激しいトレーニングをすることは控えましょう。体力がまだ回復していない時期に無理をすると、かえって体調を悪化させる恐れがあります。ウォーキングやストレッチなど、軽めの運動から徐々に始めることが推奨されます。
3. 感染予防を徹底する
血液疾患で治療中の患者さんは免疫力が低下しているため、感染リスクが高くなります。筋トレをする際は、清潔な環境で行うことや、トレーニング器具の消毒を徹底することが大切です。また、人混みを避け、自宅でできるトレーニングを取り入れると安心です。
4. 体調に応じて休むことも重要
筋トレをする際に大切なのは、体調の変化に敏感になることです。少しでも疲れやすい、倦怠感を感じる場合は無理をせず、休むことが必要です。特に白血病の治療中は体力が大きく変動するため、その日の調子に合わせて運動量を調整しましょう。
5. 家族のサポートが大切
患者さんが筋トレを行う際は、家族がサポートすることが大切です。無理のない範囲でトレーニングを手伝い、患者さんの体調をよく観察することが重要です。また、筋トレだけでなく、日常生活の中で軽い運動やストレッチを取り入れることで、筋力を維持するサポートができます。
6. まとめ
急性骨髄性白血病の治療中でも、適切な運動は体力維持や気分転換に役立ちますが、筋トレを行う際は慎重に進めることが大切です。無理をせず、主治医の指導を受けながら、徐々に体を動かしていきましょう。家族としては、患者さんの体調を見守りつつ、無理のないサポートを心がけることが大切です。
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