骨髄異形成症候群で通院治療中です。家ではどんなことに気をつければよいですか?

骨髄異形成症候群の在宅療養

骨髄異形成症候群(MDS)の在宅療養では、患者さんの健康状態を保ちながら生活の質を向上させることが重要です。特に次の点に注意する必要があります。

目次

1. 感染予防

骨髄異形成症候群の患者さんは白血球減少や白血球の機能異常により免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなります。次のような対策が必要です。

  • 手洗いとうがいの徹底とアルコール消毒の使用
  • 人混みを避ける
  • 家族や訪問者に風邪の症状がある場合は接触を避ける
  • 外出時のマスクの着用
  • 定期的な部屋の換気と掃除
  • アザシチジン(ビダーザ)などの化学療法を受けている場合は、寿司や刺身などの生ものは控える

風邪症状が長引いたり、発熱した場合はかかりつけのクリニックや治療中の病院を受診しましょう。

2. 貧血の管理

MDSの患者さんは貧血が進行することが多いため、次のような対策が求められます。

  • 貧血による疲れやすさを考慮し、無理な活動は避ける
  • 転倒や怪我を防ぐために、歩行時に注意を払う
  • 栄養バランスの取れた食事を心がけ、タンパク質や鉄分、ビタミンB12、葉酸を含む食品を摂取する

3. 出血傾向の管理

血小板が減少するため出血しやすくなります。出血リスクを低減するために次のことが重要です。

  • 刃物や鋭利なものの使用を避け、怪我をしないようにする
  • 歯磨きはやさしく行い、歯茎からの出血を防ぐ
  • 鼻血が出た場合は鼻の付け根を5~10分程度強く抑える。血を飲み込むと吐き気を催すことがあるので、下を向いて飲み込まないようにしましょう
  • 抗凝固薬や血液をサラサラにする薬を使用している場合は、医師と相談し適切に管理する

出血が止まらない場合は、かかりつけの病院を受診しましょう。

4. 定期的な通院

骨髄異形成症候群の進行状況を把握し、必要に応じて治療を行うために、定期的な血液検査や医療機関での診察が重要です。在宅療養中でも次のような症状が見られた場合は、すぐに医師に相談することが必要です。

  • 今までにない疲労感や息切れ
  • 鼻血や歯肉出血、血便や黒色便
  • 高熱や咳や痰などの感染兆候

5. 精神的なサポート

MDSは造血幹細胞移植をしない限り完治しないため、長期間に渡り病気と付き合わなければなりません。心理的ストレスを軽減するために、家族や介護者によるサポート、カウンセリングの利用も考慮されるべきです。

このような対策を通じて、骨髄異形成症候群の患者が在宅で安全かつ快適に過ごせるように支援することが大切です。

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